“子どもは勉強なんてしたくないもの”と思え！

　「そんな事言われなくても分かる。」「うちの子は自分から意欲的に勉強している。」といった声が聞こえてきそうなタイトルですね（笑）。確かにほとんどの子どもが勉強は好きではないでしょうから、改めて指摘されなくてもという事です。逆に、本当に勉強な好きな子もいますので（稀ですが）、すべての子どもがそうだとは言いません。でも、ほぼ全てだと私は思います。

　では、なぜそんな当たり前ことを再認識していただきたいのか。勉強は、できない事をできるようにするため、知らないことを知るため、テストで良い点を取るため、成績を上げるため、志望校に合格するため、といった目的があってする。だから勉強は好きではなくてもやる。大人ならそういう発想になりますし、勉強している子どもを見てそう思います。
　えっ、という事は子どもはそういう目的で勉強していないの？はい、多分にあります。受験生で目の前に入試が迫っているなら別ですが、上記のような目的（動機）で勉強をしていない場合が多いのです。そういう状態での勉強は、「学習」ではなく「作業」となっています。好きではない「作業」ですから、とにかく、こなす、終わらせたい。だから、適当にやる、ごまかす、やった振りをする。結果的に、身についていない、成績が上がらない、なんてことになります。
　とは言っても、いつも目的を意識して勉強させることは難しいですよね。まずは、せっかく勉強するならちゃんとやろう、できないと悔しいからやろう、先生に言われたことだからやろう、といった動機くらいは少なくとも欲しいですね。これもできないならば、あとは経験して分かっていくしかありません。
　このように考えると、「自習（自主学習）」というのは、子供にとって、とてもハードルが高いものだとお分かりいただけると思います。したくはない勉強を、やり方もろくに知らず、自主的にできるはずがありません。ましてや目的（動機）が無ければ、それはもう「作業」にもならない悲惨な状態になると予想できます。
　指導者は、正しいやり方を教え、適切な動機づけを与えそれを維持・管理する。教育におけるコーチングが重要なのです。それができれば、「自立学習」ができるようになります。その遥か先に「自主学習」があるのです。 　子どもに“したくない”勉強を“したくなる”ようにさせようとするのは至難の業、いや神業、無理と思って結構です。全く方法が無いわけではありません。勉強のやり方を楽しくして勉強と感じさせなくしたり、魅力的な目的（動機）を勉強に付与することで、“勉強をしたい”と思わせる方法です。でもこれは、部分的、一時的な方法です。勉強自体をしたくなったわけではありませんから。ですから、親御さんは、子供は勉強なんてしたくないものなんだと思ってお子さんを見てください。少しはイライラしなくて済みますよ（笑）。そして勉強についてはこちらに任せてください。