令和5年度(2023年度)神奈川県公立高校入試 【数学】所見と解説
※こちらは2023年度の入試解説です。
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今年も神奈川県公立高校入試数学の所見と解説をブログに上げたいと思います。
毎年書いていますが、あくまで私鳳泉スクール塾長の所見であり、解説も私が解いた一つの解法です。
図形などはほかにも解法がありますので、ほかの解法を考えてみるのもよい学習になると思います。
このブログは入試直後の2月15日に書いていますが、今回の数学に関しましては、
2022年度より「易化」という総評が多いようです。
私の印象は、正答率数%みたいないわゆる難問は無かったという点で
「やや易化」といったところでしょうか。
ただ、中・下位層にとってはあまり関係なく、例年なみだったのではと感じています。
しばらくすれば結果が発表されるので、楽しみに待ちましょう。
毎度のことですが、50分という時間内ですべてを解き切るのは大変な試験であることは間違いありません。
それでは問題の解説に入りましょう。
例年通り、比較的正答率が低いであろう問題のみになります。
ですので大問1、2や、大問3以降も(ア)や(イ)などは省いている問題もございます。
問3(ア)円周角をもちいた相似の証明と角度を求める問題
(i)の証明は省略いたします。
(ii)は(i)で△AIFと△EHGが相似であることが証明されていることを利用することさえできれば、
特別補助線も引く必要がなく、円周角の定理や三角形の内角の和などをもちいて求められますので、
比較的簡単だったのではないでしょうか。
問3(イ)データの比較
キターーー!箱ひげ図!(笑)
とうとう出題されましたね。
今年こそは出題されるだろうと、当塾では前日の授業で扱っておりました。
問題としては、(i)も(ii)も、箱ひげ図やデータの項目の基本をおさえていれば
正解をく選択できたのではないでしょうか。
問3(ウ)ダイヤグラム
Bさんの不可解な行動(笑)と、単純な距離速さ時間の問題ではなかったので
悩んでしまった受験生もいたのではないでしょうか。
問題文を理解して、ダイヤグラム(グラフ)さえ描けてしまえば
正解の選択肢は絞れるはずです。
Bさんの移動の正確な速さを求めなくても、15分と5分の立ち寄りと
Aさんと到着時刻が同じことから、ほぼ正確なグラフが描けますね。
できるだけ時間は費やしたくないので、それでも良かったと思います。
問3(エ)平面図形 相似などをもちいて面積比を求める問題
正答率としては関数の(ウ)や空間図形の(ウ)の方が低いかもしれませんが、
個人的にはこの問題が1番厄介だったと思います。
様々な解法や導出がありますが、いずれにしても工程が多く複雑です。
似たような類題は解いてきているでしょうし、決して難問ではありませんが、
それゆえできそうなので、粘り過ぎてしまうなんてことも…
ここではまってしまうと時間ロスになってしまう危険が大きいです。
8割以上ねらうのでなければ、捨てるかとりあえず後回しにすべき問題ですかね。
問4 関数
(ア)(イ)省略
(ウ)四角形の対角線が面積を2等分するような点の座標を求める問題
難易度的には1番難しい問題ではないでしょうか。
着眼ポイントに気が付けば、そこからはひたすら進めていくのですが、
そこは神奈川の数学、やっていて不安になるような計算作業をクリアしないといけません。
ちょっとした計算ミスでおかしくなって、アレッ?アレッ?って焦ってしまう。
マーク式で答えの形が分かるだけに、それに合わないと見切りがつけられなくなりがちです。
たのほとんどの解説が対角線の中点を通るということから解いていますので、
ここではあえて違う解法(等積変形から、面積ををガチで表す方程式で)を紹介します。
問5 確率
神奈川大好き大小サイコロ問題です。
確率大問では、とにかくやってることが複雑な問題になるので、
36通りすべて出す、あるいはあてはまるものをもれなくピックアップする必要があります。
時間を要しますし、正確に上げていかなければなりませんので、
後回しにして、時間に余裕があれば戻って解くのが得策かなと思います。
特に今回は(ア)が単純で簡単に出せるパターンでなく、(ア)と(イ)が同じ抽出になるので、
できたら2問とも取れますが、ダメなら2問とも当てずっぽうになります。
ただ複雑ではないのですし、ある程度規則性があるので、6×6の表に素早く取り掛かれば
結構得点できたのではないでしょうか。
問6 空間図形
(ア)の円錐の表面積を求める問題は、瞬殺で答える問題ですね。
(イ)空間の距離を求める問題
EGの長さを求めるのに考えなければいけない良い問題ですね。
三平方の定理で求めるだろうと踏んで、底面の円を描いてみれば行けたはずです。
(ウ)こちらも神奈川頻出の最短距離問題。
展開図から直線で結んで…までは行けたと思いますが、
今年も一ひねり入れてきましたね。
側面のおおぎ形の中心角が144°?そこから弧AE分CEで切れるのですが、
これが60°でないところですよね。
まあ、それで124°としても詰んでしまうので、気づけたかもしれませんが。
120°でやっちゃえ!で当たった!なんて受験生もいたのでは(笑)
(でもそういうのも入試では大切だと思います)
いかがでしたでしょうか。
来年度以降、過去問を解いた時の参考にしていただければ幸いです。
2023年2月15日