観点別評価の「主体的に学習に取り組む態度」とは?
神奈川県公立高校入試は令和6年度入試から選考に関しての改定があります。
最も大きな変更点は、全校で行われていた面接の原則廃止です。
そして、2次選考においては、面接の代わりに、内申(通知表)の観点別評価の
「主体的に取り組む態度」の評価を選考に用いることになりました。
令和3年度から中学校では、通知表の観点別評価が次の3項目になっています。
①知識・技能
②思考・判断・表現
③主体的に学習に取り組む態度
3項目それぞれで、A◦、A、B、C◦、Cの5段階(またはA、B、Cの3段階)で評価されます。
通知表「あゆみ」をご覧になっていただければ評定の横に記載があるはずです。
神奈川県公立高校入試の2次選考では、中3の2学期末(前後期制の場合は後期中間時点)の
「主体的に学習に取り組む態度」の観点別評価を
A◦・A ⇒ 3点
B ⇒ 2点
C◦・C ⇒ 1点
として、9科目27点満点を100点満点に換算し、学力検査の得点と学校ごとの比率で掛けわせて1000点満点で選考します。
(各校の比率については、神奈川県教育委員会発表のものをご確認いただくか、お通いの学校・塾にお問合せください)
2次選考という定員の10%という狭い枠ではありますが、通知表の「主体的に学習に取り組む態度」が合否に及ぼす影響は、かなり大きいものということです。
2次選考で合格を目指すならば、「主体的に学習に取り組む態度」全科目A◦かAでないと、かなり厳しいのではないかと思います。特にトップ校ならば必須でしょう。
今あなたが中1・中2、あるいは中3の1学期で、通知表の「主体的に取り組む態度」が、BやC◦・Cだったら…
どうすれば評価を上げられるのでしょうか?
「知識・技能」「思考・判断・表現」の観点であれば、ほぼ定期テストによって決まりますので、テストで高得点をとることに尽きますが、「主体的に学習に取り組む態度」に関しては、どこを観てどのように評価しているのか、はっきり言って分からないですよね。
このブラックボックスとも言える状態が、憶測を生んだり、生徒によっては先生に媚びを売る的な行動をさせてしまっています。
この状態はこの観点が導入される以前の「関心・意欲・態度」の頃も同じで、基本的には変わっていないというのが現実です。
一応、文部科学省は「主体的に学習に取り組む態度」を導入にするにあたり、下記のように述べています。
過去の「関心・意欲・態度」の評価に関しては、例えば、正しいノートの取り方や挙手の回数をもって評価するなど、本来の趣旨とは異なる表面的な評価が行われているとの指摘もあった。「主体的に学習に取り組む態度」については、このような表面的な形式を評価するのではなく、「主体的な学び」の意義も踏まえつつ、子供たちが学びの見通しを持って、粘り強く取り組み、自らの学習活動を振り返って次につなげるという、主体的な学びの過程の実現に向かっているかどうかという観点から、学習内容に対する子供たちの関心・意欲・態度等を見取り、評価していくことが必要である。
知識及び技能を獲得したり,思考力,判断力,表現力等を身に付けたりすることに向けた粘り強い取組の中で,自らの学習を調整しようとしているかどうかを含めて評価する。
はい、抽象的な表現の文言で、よく分からないですよね。
評価の工夫として、下記のような例を挙げています。
○ノートやレポート等における記述
○授業中の発言
○教師による行動観察
○児童生徒による自己評価や相互評価等の状況を教師が評価を行う際に考慮する材料の一つとして用いる
さらに、神奈川県教育委員会は、公立高校入試2次選考に観点別評価を用いるに際し、こう述べています。
「主体的に学習に取り組む態度」は、学校生活や家庭学習など毎日の積み重ねの成果が評価につながります。
んん~、やっぱりブラックボックスですね。
実際、学校により、と言うより先生により、評価基準や評価方法はそれぞれ様々なのではないでしょうか。
では結局先生の印象が良くなるようなことを考えうるだけするしかないのか。
観点評価にBがあると5はつかないので、5をとっていそうな成績の良い友達の行動を真似るのは良い方法とは思いますが、それでもどの行動が良い評価につながっているのか明確には分かりませんから、どこまで真似ればよいのかという問題はあります。あと、真似るというのは言うほど簡単ではないです。簡単に真似られるくらいなら、もともとできているでしょうから。
とはいえ、参考にはなると思いますので、できるだけ真似てやってみる努力はしましょう。
一番手っ取り早いのは、成績をつけている先生に直接聞いてみることです。
「主体的に学習に取り組む態度」の評価を上げたいのですが、どうすれば上げられますか?
明確な評価基準や、ここを観ています、といった回答はもらえないかもしれませんが、こういったところを改めようとか、何らかのヒントを与えてくれるはずです。
そして大切なのは、もし何らかのアドバイスをもらえたら、必ずそれを実践することです。
先生にノーコメントと言われてしまったら退散するしかありませんが、生徒の意欲を無下にすることはないと信じたいです。
仮にダメでも、その行動自体が主体的に学習に取り組む態度と言えますから、マイナス評価になることはありません。
もちろん、授業は積極的に受けて、課題(宿題)や提出物は期日は守りしっかり取り組むことは最低条件ですから、それができていなければまずはそこからです。
そして、「主体的」ですから、言われていないこと(プラスアルファ)ができるかが、A◦やAになるポイントではないかと考えます。
先生に嫌われるのはいけませんが、好かれようとしなくても大丈夫ですし、ましては媚びを売る必要なんてありません。
苦手な科目、嫌いな科目であっても、授業や勉強そして課題や提出物にしっかり取り組み、その姿勢や態度を示せば、「主体的に学習に取り組む態度」はきっと、A◦かAになります。
頑張ってくださいね!